七ヶ浜・グローカルPROJECT

~世界を見据えて,地域に根差す~

 平成28年度から取り組んでいる「七ヶ浜・グローカルPROJECT」は,令和5年度で8年目を迎えています。

 「グローカル」とは,「グローバル」と「ローカル」を合わせた造語です。七ヶ浜町教育委員会では,「世界を見据えて,地域に根差す」をコンセプトに,次の5つを重点施策に掲げ,次世代を担う児童生徒の育成に力を入れています。

学力向上
不登校改善
英語を通したコミュニケーション力の育成
地域学校協働活動
地域に開かれた学校


◆コミュニケーション力の育成◆
 「3.英語を通したコミュニケーション力の育成」では,小学校1年生から中学校3年生まで,2人のALT(外国語指導助手)による授業が行われるようカリキュラムが組まれています。

 英語コミュニケーションの授業が本格的に実施され4年目となり,児童生徒や保護者の皆様からは,次のような感想が寄せられています。

英語の時間にはたくさんのお友達とゲームをしたりして,いつも話さないお友達と話せるようになり,とても楽しい。(児童)
英語がわからなくても,ジェスチャーなどいろいろな方法でコミュニケーションができることがわかった。(児童)
こんな授業をしてもらえれば,将来どこの国に行っても働くことができると思える。(生徒)
いい雰囲気で活発に取り組んでいる様子がとても印象的だった。本場の英語に触れる機会を学校で体感できることは,本当に素晴らしいと思う。これからも続けてほしい。(保護者)
 七ヶ浜町では,単に英語教育を行うのではなく,英語をツールにしたコミュニケーション力の育成を目指して取り組んでいます。互いの文化を尊重しつつ自分の頭で考え,自分の言葉で意見や考えを伝え交流し合えることができる人材の育成です。小学校と中学校の円滑な接続のために,互いの授業を参観し,意見交換を行うなど,小・中学校の連携も行っています。
七ヶ浜5ラウンドシステム
 

七ヶ浜5ラウンドシステム

1 七ヶ浜5ラウンドシステムとは
 ラウンドシステムは,横浜市立高校附属中学校から始まった英語の授業の進め方です。従来の英語の授業の進め方とは異なり,まず教科書の最初から最後までの文章を全体を通して「聞く」(1ラウンド目),次に教科書の最初に戻り,同じように全体を通して「読む」(2ラウンド目),次にまた教科書の最初に戻り,同じように全体を通して「音読」(3ラウンド目),次にまた教科書の最初に戻り,同じように全体を全体を通して「穴あき音読」(4ラウンド目),最後に,また教科書全体の内容を,習った文や単語を使って「説明」(5ラウンド目)というように,教科書を5回使って学習することから,「5(ファイブ)ラウンドシステム」と命名されています。
 七ヶ浜町の中学校では,この「5ラウンドシステム」をもとにしながら,教科書全体ではなく,Unit(単元)ごとに5回ラウンドしていく方法を取り入れています。この方法を「七ヶ浜5ラウンドシステム」と命名しています。
 この5ラウンドは,言語習得の自然な流れに沿った学習方法であり,徹底したインプットを行い,英語に慣れ親しみ,最終的にはアウトプットにより,本文を染み込ませるようにしています。
 
2 本校の5ラウンドシステム
 本校の5ラウンドシステムの構造は,次のようになっています。
【ラウンド1】 リスニング(聞く)
Unit本文を,本文を見ないで,繰り返し聞いていく。
どんどん分かる単語が増えていく。
【ラウンド2】 音と文字の一致(読む) 
Unit本文を見ないで,聞きながら本文の内容を示したピクチャーカードを本文の内容に沿った正しい順番に並べていく。
聴きながら本文(ピクチャーカード)を並べる中で,文章の流れや単語の理解が増えていく。
【ラウンド3】 リーディング(音読)
ここで,初めて教科書を開き,繰り返し本文を読み進めていく。
本文のライティングもここで実施する。(家庭学習でも実施)
【ラウンド4】 穴あき音読
穴あき具合(本文の中の単語をカッコ書きにして抜いたもの)が4段階の難易度に分かれたワークシートを使い,段階を追って音読を進めていく。
最難関の4段階目はほとんど穴だらけのワークシートになる。
【ラウンド5】 リテリング(自分の言葉で話す)
本文の内容をこれまで習った文や単語を使って,自分なりに説明する。
ここの段階はアウトプットとなり,本文を染み込ませる。
<文法指導>
新出文型の形,意味,用法に関する知識を身につける。
<パフォーマンステスト>
リーディング,ライティング,スピーキング,リテリングなどにより,理解度等を確認する。
パフォーマンステストはUnitごととは限らず,複数のUnitをまとめた範囲で行うこともある。

3 帯活動の実施
 本校の英語の授業において,5ラウンドシステムとともに,特徴的なことが毎時間実施する「帯活動」です。
 「帯活動」は,基本的には毎時間の最初に10分から15分程度実施し,主に次のような活動を行っています。
ワードビンゴ
ワークシートや市販のワークによる単語(既習)の確認
既習事項(既習Unit)のリテリング
教師との日常的な会話によるウォーミングアップ